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私たちにとって、教師とは何か?
「The Global Teacher Status Index 2018」は、 35カ国の16歳から64歳までの35,000人以上の成人を対象に実施した調査で、教師の適正な給与、生徒が教師を尊敬していると思うかどうか、自国の教育制度をどの程度高く評価しているかなど、人々の意識を調査しました。
PISA(Programme for International Student Assessment)のような国際的に比較可能な生徒評価指標や、OECDが毎年発表している「Education at a Glance」によって、世界中で行われている比較可能な教育テストなど、教育分野での国際比較は数多く行われていますが、教師の地位が果たす役割についてここまで詳細に調査されたのは初めてといわれています。
児童生徒の学習成果を向上させる上での教師の役割に関する議論の中で、社会的地位(ステータス)が各国の教師にどのような役割を果たしているのか、また、それらが教育制度、児童生徒の学習成果などにどのような影響を与えているのかについては、あまり理解されていないようです。
教師の社会的地位が最も高い国は・・・
「The Global Teacher Status Index 2018」 による指標から、トップ5は、中国、マレーシア、台湾、ロシア、インドネシアの順となり、下位5つの国は、アルゼンチン、ガーナ、イタリア、イスラエル、ブラジルという結果となりました。
ほとんどの国では、教師の社会的地位はソーシャルワーカーに最も近いと考えられていますが、中国とマレーシアでは、教師は医者と比較されるくらい高く評価されています。

日本のランキングは・・・
日本は、35か国中18位という結果でした。
この調査では、各国の調査結果が詳細に示されており、日本の特徴的な結果も見ることができます。
- ・「自分の子供に教師になることを勧める」と答えた日本人は、10人に1人(11%)のみで、世界で3番目に少ない結果
- ・日本の教師は週に48.5時間働いていると回答しており、35カ国中7番目に高い数値
- ・日本人の4分の1(26%)しか「教師は授業の成果に応じて給与(成果報酬)を受け取るべき」と支持しておらず、3番目に低い数値
- ・日本人は、教師の給与が実際よりも約7,000ドル少ないと考えている
などの調査結果が出されています。
まとめ
「The Global Teacher Status Index 2018」 は、これまでの結果等を踏まえ最新の分析を行い、その結果、児童生徒に高い学業成績をもたらすためには、教員への高い給与と高い地位の両方が必要であることが示されました。
他のアジアの国と比べ、日本は教員への社会的地位(ステータス)が低く、教師に対する理解なども得られていないことがわかります。
今後、教員という職業が広く国民にリスペクトされる職業であり、また、将来なりたいと思う子供も増えることを願います。
参考:Global Teacher Status Index 2018(https://www.varkeyfoundation.org/what-we-do/research/global-teacher-status-index-2018)

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